
椿油って、そもそも何?
「椿油」と聞くと、昔のおばあちゃんが髪につけていた油……。
そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。
でも、椿油を調べてみると、実はかなり奥深い。
髪だけではなく、昔から肌のお手入れや食用などにも使われ、日本人の暮らしに長く寄り添ってきた植物性オイルなのです。
しかも驚いたのが、その一滴ができるまでにかかる時間。
椿の木が実をつけ、種子を採れるようになるまでには、20~30年かかるとされています。
さらに、大さじ1杯の椿油を得るためには、約45粒もの種子が必要なのだとか。
そう考えると、いつもの「一滴」が、なんだかとても貴重なものに思えてきませんか?
椿油とは?昔ながらの天然由来の植物性オイル

椿油は、椿の実の中にある種子から搾って作られる植物性オイルです。
大島椿の公式サイトによると、椿油は髪や肌になじみやすく、酸化しにくいという特徴があります。
その理由のひとつが、主成分であるオレイン酸トリグリセリド。
人の皮脂にも含まれる成分で、椿油にはこれが多く含まれています。
そのため、椿油は肌になじみやすく、油分によって肌の水分が逃げるのを防ぐような働きが期待されています。
また、髪にもなじみやすく、うるおいとツヤを与える目的で昔から使われてきました。
オレイン酸はオリーブオイルより多い?
椿油といえば、もう一つ気になるのがオレイン酸。
五島椿本舗の資料では、椿油のオレイン酸含有量は80%台で、70%を超えることが多いオリーブオイルより多いと紹介されています。
「日本の椿油って、そんなにオレイン酸が多いんだ!」
と、ちょっと意外ですよね。
椿油はいつごろから使われ始めたの?

椿油の歴史は、なんと1000年以上前までさかのぼります。
五島椿本舗によると、平安初期にはすでに食用・灯用・化粧用などに使われていたとされ、古文書には「海石榴油(つばきあぶら)」という記述も見られます。
さらに、大島椿の歴史資料では、椿油の初期の記録として『続日本紀』が紹介されています。
777年、渤海国の使者に「海石榴油」を贈ったという記録があるそうです。
つまり椿油は、現代の美容オイルとして突然登場したものではありません。
日本では、はるか昔から人々の暮らしに使われてきた油だったんですね。
日本ではどこで椿油が採れる?

椿油の産地として特に知られているのが、
東の伊豆大島、西の五島列島。
五島椿本舗では、この2地域を日本の代表的な椿油の産地として紹介しています。
🌺 伊豆大島
東京都にある伊豆大島は、椿が島の暮らしと深く結びついてきた地域。
大島椿の資料によると、島では昔から椿を防風林や炭の材料として利用し、種から椿油を搾っていました。
現在も椿油の産地として知られています。
🌺 五島列島
長崎県の五島列島も、椿油の名産地。
天然のヤブツバキが多く自生し、昔から食用油や整髪油などとして利用されてきました。
江戸時代には年貢として納められていたという記録もあります。
椿油には、こうした地域の歴史や暮らしまで詰まっているんですね。
椿油はどうやって作られる?

では、椿油はどのようにして作られるのでしょうか?
ざっくり追ってみましょう。
STEP1 椿の実を収穫
椿は春ごろに花を咲かせ、実が育ち、秋ごろに種子を収穫します。
伊豆大島の製造工程では、9月ごろに椿の実を収穫すると紹介されています。
STEP2 実を乾燥させる
収穫した実を天日に当てて乾燥。
乾燥すると実が自然に割れ、中から種子が現れます。
さらに種子も乾燥させ、余分な水分を取り除きます。
STEP3 種子から油を搾る
乾燥させた種子を搾油機に入れ、圧力をかけて油を取り出します。
この「圧搾法」は、昔ながらの製法のひとつ。
五島椿本舗でも、収穫・乾燥した椿の種子を搾油機で搾り、油を抽出しています。
STEP4 ろ過・精製する
搾ったばかりの油には、さまざまなものが含まれています。
そこで、ろ過や精製を行い、目的に合わせた椿油に仕上げていきます。
五島椿本舗では、搾った油を10数回にわたってろ過して不純物を取り除く工程が紹介されています。
「一滴」ができるまで、こんなに時間がかかる!

ここで、もう一度最初の数字に戻ります。
大さじ1杯=約45粒の種子。
そして、
種子が採れるまで20~30年。
椿油は、種をまいてすぐに収穫できる植物ではありません。
長い年月をかけて育った椿から実を採り、種子を取り出し、乾燥させ、搾って、ろ過して……。
そう考えると、椿油は単なる「美容オイル」ではなく、
自然と人の手が一緒につくる、時間のかかったオイル
とも言えそうです。
現代のスキンケアで椿油を考えると?

椿油の特徴を現代のスキンケアという視点から見ると、
・植物由来のオイル
・肌になじみやすい
・油分によって水分の蒸発を防ぎ、うるおいを保つ
・酸化しにくい性質を持つ
という点が特徴として挙げられます。
化粧水などで水分を補ったあと、オイルを少量取り入れて油分を補う。
そんな使い方なら、現代のシンプルなスキンケアにも取り入れやすそうです。
もちろん、肌質によって使用感は異なります。
特にオイル美容が初めてなら、少量から試して、自分の肌に合うか確認するのがよさそうですね。
ずぼらさんなら「一滴」から始めてみる

椿油を使ったスキンケアというと、
「オイルってベタベタしそう……」
と思う人もいるかもしれません。
そんなときこそ、最初からたくさん使わない。
まずは少量。
手のひらに広げてから、乾燥が気になる部分や髪の毛先などに少しずつ。
「今日はここだけ」というくらいの気軽さでいいのではないでしょうか。
ずぼらスキンケアの基本は、
頑張りすぎないこと。
椿油も、無理なく続けられる使い方を探してみたいですね。
昔の美容オイルには、長い歴史があった
今回調べてみて、椿油は単なる「昔ながらのヘアオイル」ではないことがわかりました。
平安時代にはすでに使われていたとされ、江戸時代には髪油として広く親しまれ、現在ではスキンケアやヘアケアにも使われています。
そして何より驚いたのが、
一滴の椿油ができるまでに、椿の長い年月とたくさんの種子が必要なこと。
昔の人が大切に使っていた理由も、少しわかる気がします。
最新の美容成分ももちろん魅力的。
でも、1000年以上前から受け継がれてきた日本の美容文化を知ると、
「昔の人の美容法って、面白い!」
と、ますます歴史×スキンケアが好きになってしまいますね😊
🦝ずぼらメモ
今回の主役は「椿油」。
調べる前は、
「髪につける昔ながらのオイルでしょ?」
くらいに思っていました。
ところが調べてみたら、歴史は1000年以上。
しかも、一滴のためにたくさんの種子が必要で、椿が実をつけるまでには20~30年。
……椿、すごい。😂
何気なく使っていた美容オイルにも、植物の時間と、日本の暮らしの歴史が詰まっているんですね。
そう思うと、次に椿油を使うときは、いつもよりちょっと大切に使いたくなりそうです🌺
※この記事について
本記事は、椿油の歴史や成分、製造工程について公開されている資料をもとにまとめた読み物です。椿油の使用感には個人差があります。化粧品として使用する場合は、商品の使用方法を確認し、ご自身の肌や髪の状態に合わせてお使いください。
写真はイメージです。
参考記事:


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